1928年5月21日 野口……男として羨ましくも真似したくない人生(2018-05-21)

1928年5月21日 野口……男として羨ましくも真似したくない人生

1928年5月21日は、野口英世の命日である。

野口英世と言えば、今更語るまでもない世界的偉人であるが……

ここで取り上げるのだから、読者の皆様には察して欲しいモノがある。




1876年に福島県の農家の長男として生まれる。

1歳のときに囲炉裏に落ちてしまい、左手に大やけどを負ってしまう。

片手が不自由な英世には農作業は難しく、その為、母は勉学で身を立てろと、英世に教えたという。

その教えの通り、勉学に励み、成績優秀な野口英世。

そんな彼に転機が訪れる。

彼が15歳の時、学校の作文で、自身の左手を嘆いた作文が、

教頭先生を筆頭に多くの教員の同情を誘い、その結果、彼の手術費用を捻出するための募金が行われた。

そして、彼は手術を受けることができ、不自由ながらも左手を使えるようになった。

またこの手術に感銘を受けた野口英世は、医者の道を志すことになる。



1893年、17歳になった英世は、自分を手術してくれた医者、小林先生のところに住み込みで働きながら、医学について勉強をしていた。

そこで、小林先生の友人であり、英世の生涯の恩人となる、歯科大学講師、血脇守之助と知り合うこととなる。



この血脇守之助、彼を無しには、野口英世は語れないほどの人物です。


ここから野口英世の偉人伝説が幕を上げる


1896年、英世20歳の時、医師免許取得のために、小林先生達から40円を借りて上京。

前期(筆記)試験に合格するも、豪遊して、僅か二ヶ月でお金が底を付き、下宿を追い出されることとなった。



さて、話が少し逸れるが、この時の40円とは現代の価値に換算するといくらになるのか?

一概には言えないが、約2万~2万5000円ほどとする意見が強いので、ここではそれを採用する。

また、

小学校の教員や巡査の初任給が8~9円

ベテランの大工の月給が20円

血脇守之助の月給が4円


そんな金銭状況の中、英世は二ヶ月で借りた40円を酒と女に散財し、下宿を追い出された。

後期試験まで、まだ期間もあり、お金もない。困った英世は、血脇を頼る。

血脇の職場である、歯科大学に書生として入ろうとしたが、院長に断られてしまう。

そこで血脇は、隠れて英世を宿舎に泊まらせることとした。

英世は掃除や雑用をこなしつつ、勉強に精を出すこととなった。


同年、隠れて勉強をしていた英世は医学の勉強にドイツ語の必要性を感じた。

そこで、血脇に


「ドイツ語を勉強したいから学費を出して下さい」

「給料が月4円でね。君の学費を捻出、出来ないのだよ」

「だったら、院長と交渉して給料を上げて貰いましょう。任して下さい策ならあります」


書いている私自身も首を傾げたくなるような、不可思議な理論を英世は展開。


「交渉の結果、月給が7円になったよ。だから学費出して上げるね」


一体どんな策を出したのやら……

もちろん実行する方も実行する方だが……

事実は小説よりも奇なりである。


さて、これによりドイツ語を勉強できることになった英世だが、

後期試験の内容は臨床試験、すなわち実技試験。しかも実際の患者を相手にすると言った本格仕様である。

もちろんこっそりと、勉強している英世にとって、実技試験など出来る筈もなく、

それをやるには、それ相応の場所に通わなければならない。

そこでまた血脇に相談。


「臨床がしたいので、で済生学舎(現在の日本医科大学)に通うお金を出して下さい」

「給料が月7円でね。君の学費を捻出、出来ないのだよ」

「だったら、また院長と交渉してください。大丈夫、策ならあります」


などと、再度頭を傾げたくなるやり取りを行い。


「病院の経営権を院長から任せて貰ったよ。これで病院の予算から君の学費を出して上げるよ」


血脇は血脇でちょっとよく分からない頑張りをした。

これにより、英世は、月15円の援助をして貰ったうえ、ちゃんとした下宿を紹介もしてもらった。

めでたしめでたし

余談ではあるが、血脇は毎月15円を援助していたが、その支払方法は三回に分けて支払ったそうだ。

一括で渡すと、英世は女と酒に走ってしまうからである。

渇いた笑いしか出なくなった所で、野口英世の偉人伝、今日はここまで、次回に続きます。


こんな偉人が会社にいたら、その会社は凄く大きくなるか、派手に潰れるかの二択しかないと思いつつ……

関東商事も彼らに負けないように、色々と頑張って家を壊します。


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