1月18日 贅沢すぎる（2022-01-18）
1854年1月18日は片山東熊の誕生日である。
さてこの男が何者かというと、幕末生まれの武士の子で、明治時代を代表する建築家である。
東京大学工学部の建築学科の１期生であり、
新宿御苑御休所
奈良国立博物館
京都国立博物館
東京国立博物館 表慶館
仁風閣
と言った、後年、重要文化財に指定された建物の設計を行っている。
また、日本赤十字病院を設計したのも彼である。
さて、そんな日本を代表する建築家である片山東熊であるが、
彼の代表作といえば、
迎賓館赤坂離宮である
この建物は、2009年に国宝にされており、旧名は東宮御所。
すなわち、天皇陛下のお住まいとして建築されたものである。
まさに日本を代表する建築家の一人に、名を連ねるにふさわしい一人である。
さて、そんな片山東熊であるが、10年の歳月をかけて東宮御所の完成させた。
その報告を明治天皇に行った際に、陛下より「贅沢すぎる」と一言言われ、ショックのあまり病気がちになったそうな。
また東宮御所は、生活をするには、いささか不便であったこともあり、陛下を始め、皇族の方々が生活をすることはなくなり、
別荘……つまりは離宮として扱われ始めた。
これが赤坂離宮の始まりである。
これには片山も二重でショックだったのではなかろうか。
東京大学工学部の建築学科の出で、後年、国宝や重要文化財になるような建築物を設計した、日本を代表する建築家。
そんなとても凄い方でも、こうなることがある。
まさに建築の怖いところである。
それに比べれば解体は、更地にすればＯＫだ。
なんと気が楽なことか。
とは言っても、建設業における死傷率では、鳶に次ぐ２位である。
気は抜けない。
死んだら元も子もない。
つまりは楽な仕事など無いということだ。
なんとも世知辛いものである。
そんな無常を嚙み締めつつ、迎賓館に招待されるような立派な者になりたいと思いつつ、今日も家を壊します・
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